RubyWorld Conference 2017で喋ってきた

はじめに

2017年11月1日、2日で開催されたRubyWorld Conference 2017にて「組込みハードウェアモジュールへのmrubyアプリケーション適用試行」というタイトルで喋ってきました。

内容は、ESP-WROOM-32を使ってmrubyアプリを動かすというもの。「業務ですか?」と聞かれたのですが、日本OSS推進フォーラムアプリケーション部会で話題に上がったものを個人的に進めていたもので、基本は個人的趣味です。業務ではこういうことをしないので、ノウハウが全然なかったり時間が取れなかったりと悪戦苦闘しましたが、無事発表にまでたどり着けることができました。

資料は後日、RubyWorld Conferenceのサイトから公開されると思います。

動機

昨年RaspberryPiを使ってmrubyアプリを動かしたことを発表したのですが、PaspberryPiはCRubyが動くのでmrubyを使う必要性があまりなく、その点を多くの人に突っ込まれました。その点は分かっていたのですが、如何せんより小型なハードウェアに関しては全然ノウハウがないため、何から手を付けたら良いのか分からずどうしようかなと思っていました。

そんななか、日本OSS推進フォーラムアプリケーション部会でESP-WROOM-32の存在を知り、おもったよりも簡単そうだったので思い切ってチャレンジしてみることにしました。

苦労した点

発表の中では全然触れませんでしたが、苦労した点としては、

  • センサーのハンダ付け
    • え?そんなところ?って感じですが、そういうところからも苦労するんです。
    • だいたい一つのセンサーで1個はハンダ付けを失敗しています。部品が安くてよかった...
    • ハンダ付けは、中学生時代の授業でちょっとやったぐらいの経験値だったので、まぁしょうがないです。
  • C APIを使ったセンサーデータの取得
    • 久しぶりにC言語を触りました。コンパイルエラーがなかなか取れませんでした(^^ゞ
    • もっと取れなかったのはメモリリークで、よくアプリが落ちました。

です。もうすこし経験値を積まないとなかなか難しい分野だと思います。

RubyWorld Conferenceという場

RubyWorld Conferenceは毎年島根県松江市で開催されるRubyのカンファレンスです。ここ数年は11月に開催されています。島根県松江市の支援のもと開催されているため他のRubyのカンファレンスとは趣が違い、県知事や市長の挨拶があったり、発表内容もよりビジネス向けの内容だったりと面白いです。

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橋にずらっと並べられた幟

今年のRubyWorld Conferenceは『mrubyと教育がテーマなのかな?』と思い、『ちょっと自分には関係ないかな?』って思ったのですが、フタを開けるとすべてが面白く、そのたびに気付きを得られました。

個人的メモ

全部ではないですが、個人的メモです。

東京30K秋大会を走ってきた

毎年10月に開催されている東京30K秋大会に今年も参加し30kmを走ってきました。

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自身の結果

タイムは2:38:15。自己ベストでした。昨日の夜から雨が降り続き、レース中は小雨から曇りになったとは言え、足元が悪い中自己ベストを出せたのは出来過ぎ。ただ、ラスト5kmはかなりしんどかったので、今月末に走る横浜マラソンに対しては若干不安を覚える結果となりました。

5kmごとのラップタイムは次の通り。

距離 ラップ 備考
0km - 5km 26:27 ちょっと早い感じ
5km - 10km 28:27 途中でトイレに入る
10km - 15km 26:41 たまたま近くにいたペースメーカーについていく。風が強く吹いていた
15km - 20km 25:01 風向きが変わったので、ペースを上げて元々のペースメーカーに追いつくようにする
20km - 25km 25:38 22km地点でペースメーカーに追いつく。
25km - 30km 26:01 何とかペースを維持したままゴール

ペース上げ下げが激しいですが、よくもってくれました。

大会の特徴

この大会の特徴は、細かいペース設定ごとにペースメーカーが付いて2分間間隔でのウェーブスタート制という点。その日の体調に合わせてスタート位置を変えられるので、自己確認の場としてかなりいい大会です。

そのためか、参加者もかなり多い大会です。特にトイレの数は全然足りないので、早め早めの行動を心がけたほうが良いと思います。

mruby-mrbgem-templateを使ってmrbgemをつくる方法

はじめに

唐突に mrbgem を作りたくなる時、ありますよね。そんな時、なにかいい方法無いかなと思ったら @matsumotory さんの mruby-mrbgem-template というものが非常に便利だったので備忘録がてら使い方を記します。

環境

  • OS X El Capitan
  • mruby 1.3.0
  • mruby-mrbgem-template commit cb5c0a3887d(2017/10/4時点の最新バージョン)

使い方

導入

mruby を取得する

おそらく master でもよいのですが、バージョンを明確にしたかったので mruby 1.3.0 を取得して build することにしました。

$ wget https://github.com/mruby/mruby/archive/1.3.0.zip
$ mv 1.3.0.zip mruby-1.3.0.zip
$ unzip mruby-1.3.0.zip
$ cd mruby-1.3.0
mruby-mrbgem-template のインストール

mruby-1.3.0/build_config.rb を編集し、mruby-mrbgem-template を使用する gem として追加します。具体的には次のように編集します。

MRuby::Build.new do |conf|
  # load specific toolchain settings

  # Gets set by the VS command prompts.
  if ENV['VisualStudioVersion'] || ENV['VSINSTALLDIR']
    toolchain :visualcpp
  else
    toolchain :gcc
  end

  enable_debug

  # Use mrbgems
  # conf.gem 'examples/mrbgems/ruby_extension_example'
  # conf.gem 'examples/mrbgems/c_extension_example' do |g|
  #   g.cc.flags << '-g' # append cflags in this gem
  # end
  # conf.gem 'examples/mrbgems/c_and_ruby_extension_example'
  # conf.gem :core => 'mruby-eval'
  # conf.gem :mgem => 'mruby-io'
  # conf.gem :github => 'iij/mruby-io'
  # conf.gem :git => 'git@github.com:iij/mruby-io.git', :branch => 'master', :options => '-v'
  # ↓↓↓ 追加
  conf.gem github: 'matsumoto-r/mruby-mrbgem-template'
  conf.gem '../mruby-nmea'
  # include the default GEMs
  # (以下省略)
mruby の build

mruby を build します。単純に rake コマンドを実行するだけです。

$ rake
create.rb の作成

mruby-1.3.0 の直下に create.rb を作成します。中身は、次の通り。paramsの各値を編集します。

params = {
  :mrbgem_name    => 'mruby-example',   # mrbgemの名前
  :license        => 'MIT',             # ライセンス
  :github_user    => 'miyohide',  # GitHubのユーザ名
  :mrbgem_prefix  => '..',   # mrbgemのディレクトリのパス
  :class_name     => 'Example',  # 生成するクラス名
  :author         => 'miyohide',  # 作者名
}

c = MrbgemTemplate.new params
c.create
雛形作成

これでmrbgemの雛形をつくる準備が整ったので、

$ ./bin/mruby create.rb

を実行すると、mrbgemの雛形が作られます。上記のようにcreate.rbを設定すると、

[~/work/mruby-1.3.0]$ ./bin/mruby create.rb
Generate all files of mruby-example
create dir : ../mruby-example
create dir : ../mruby-example/src
create file: ../mruby-example/src/mrb_nmea.c
create file: ../mruby-example/src/mrb_nmea.h
create dir : ../mruby-example/mrblib
create file: ../mruby-example/mrblib/mrb_nmea.rb
create dir : ../mruby-example/test
create file: ../mruby-example/test/mrb_nmea.rb
create file: ../mruby-example/mrbgem.rake
create file: ../mruby-example/Rakefile
add gitignore entry: ../mruby-example/.gitignore
create file: ../mruby-example/mruby-example.gem
create file: ../mruby-example/.travis.yml
create file: ../mruby-example/.travis_build_config.rb
create file: ../mruby-example/README.md
create file: ../mruby-example/LICENSE

  > create miyohide/mruby-example repository on github.
  > turn on Travis CI https://travis-ci.org/profile of miyohide/mruby-example repository.
  > edit your mruby-example code, then run the following command:

  cd ../mruby-example
  git init
  git add .
  git commit -m "first commit"
  git remote add origin git@github.com:miyohide/mruby-example.git
  git push -u origin master

  > finally, pull-request mruby-example.gem to mgem-list https://github.com/bovi/mgem-list

[~/work/mruby-1.3.0]$

という実行結果が出力され、mrbgem_prefix + / + mrbgem_name なディレクトリが作成されます。

あとは実装とテストを書くだけ

あとは、mrbgem_nameで指定したディレクトリに移動して、CやRubyで実装を書くだけです。mrblibディレクトリやlibディレクトリにそれぞれRubyとCでの実装を書き、testにテストを書くみたいです。

また、作成した直後でも rake test を実行することでテストを動かすことができます。

[~/work/mruby-example]$ rake test
git clone --depth=1 git://github.com/mruby/mruby.git
Cloning into 'mruby'...
(省略)
             mruby-example
             mruby-bin-mrbc - mruby compiler executable
             mruby-test - mruby test
================================================

>>> Test host <<<
(省略)
Total: 959
   OK: 959
   KO: 0
Crash: 0
 Time: 0.1 seconds
[~/work/mruby-example]$

RubyKaigi 2017にてLT発表をしてきました

はじめに

RubyKaigi 2017にてLT発表をしてきました。このエントリーは発表の概要とその他雑多な感想を記します。

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タイトルをTypoしているのに全然気が付かないぐらいに緊張していた...

LTの内容

LTの内容として、RubyistMagazine、通称るびまの過去資産であるhikiMarkdownに変換する話をしました。技術的にはそんなに複雑なものではないのですが、色々なパターンが有り地味に大変でした。

今のところ、最新号までのMarkdown化までは終わり、jekyll serverで起動すればお手元の環境でるびまが動きます。

反響

LT発表中に「5,000m」というところを「5,000km」と言ってしまったことで爆笑をかっさらい、その後の懇親会等々でも色々お声がけ頂きました。狙ったわけではないんですが、いいネタになったようで怪我の功名といったところでしょうか。

また、「るびま、手伝いましょうか?何か手伝えることがありますか?」って多くの方々からお声がけを頂いたのですが、さっと出せるものがなく、なんとも勿体無いことをしてしまいました。ざっと上げてみると、

思えばたくさんあります。が、これら全部が全部私の頭のなかにあるだけなので、どこかで棚卸しをしないといけない。まぁ、一歩一歩やっていきます。

RubyKaigiに行く意味

毎年RubyKaigiに行っているのですが、去年から首都圏以外で開催されるようになってから行く目的をしっかり持つようになりました。スライドは大方公開されますしセッション動画もすぐ公開されるRubyKaigiにおいて、現地に出向く意味です。え?5,000km走るんでしょってことではなくてですよ。

そのためにCFPを出したり(出すためのネタを作ったり)、知らない人と話をするというのを今回の目標としました。自分の中では結構上手く出来た感じ。ただ、新しい課題も見えてきていて、

  • Rubyだけじゃなく、もっと色々な言語に触れておくべき。Goとか。多分一つの言語・フレームワークで戦える時代ではない。
  • 実戦大事。実際に自分がやったことの話が一番説得力ある。
  • 英語はまぁ、長年の課題ですね。はい。

来年は5月末に仙台で行われると言うので、それまで何らかの結果を出したいです。

ここ最近の技術系メモ(2017年5月版)

はじめに

ちょっと油断するとブログを放置してしまい、過去に色々と調べた内容は喉元過ぎれば熱さを忘れるごとく、綺麗サッパリと忘れてしまって再度問題にぶち当たるとまた調べなおすのが辛かったので、ちょっとまとめてみることにします。

form objectを使ってみよう - メドピア開発者ブログ

メドピア開発者ブログから。個人的には、viewのなかで○○_tagってものが出たら危険なサインだと思っています。

著者さんのサイトで補足も書かれているので合わせて読むとよいかと。

blog.willnet.in

Rails Developers Meetup #1(東京会場) - connpass

5月18日(木)に『Rails Developers Meetup #1』が開催されました。残念ながら参加できなかったのですが、スライドは以下で公開されています。

rails-developers-meetup.connpass.com

「ふつう」のRuby on Rails ウェブサービス開発(Clipla x みんなのウェディング) - connpass

5月23日(火)に『「ふつう」のRuby on Rails ウェブサービス開発』が開催されました。スライドは以下で。

mwed.connpass.com

岩崎さんの『ふつうのRails開発を続けるために』の「ご利用は計画的なGem」についてはドキリとさせられました。

関西Ruby会議2017

5月27日(土)に『関西Ruby会議』が開かれました。残念ながら参加できなかったのですが、スライドは公開されていますので、目を通しておきたいです。個人的に興味深い「エンタープライズRubyOnRails」のスライドが公開されていないのがちょっと痛い...。

後日、開催レポートがるびまに寄稿されるはずなので、それを楽しみにしながら。

DSAS開発者の部屋:大幅にパワーアップした「ESP32」で mruby を動かす

ひょんなところからESP32というものを紹介していただき、ちょっと試してみているのですが、色々と勝手が違って思うように動かない。サンプルプログラムのHello World!がでないのはちょっとつらい。。。

まとめ

今までは気になった記事などはPocketとかに登録しておいてそのまんま放置ということが多かったのですが、今回こういう記事を書いてみて、良い棚卸しができたような気がします。幾つかのブログやスライドも目を通すことができたし。

いつまで続けられるか分かりませんが、ちょっと頑張ってみようかと思います。

Strength Finder 2.0をやってみた

私の周りでStrength Finderが流行っていたので、自分も本を買ってやってみました。10年ぐらい前にやった覚えがあるのですが、結果なんて全然覚えていないし、2.0にバージョンアップしたということも有って、新しくトライ。

書店でも本が平積みされていて売れているようです。

結果としては、

  1. 分析思考
  2. 調和性
  3. 慎重さ
  4. 公平性
  5. 学習欲

がTop5として出てきました。大体納得できる感じ。

おおむね、慎重すぎるきらいがあるので、もうちょっと積極的に行く必要があると思っていて、最近特にそういうことを感じています。

『世界で闘うプロダクトマネージャーになるための本』を読んだ

今年に入ってから続けている朝読書の時間を利用して、長らく積読であった『世界で闘うプロダクトマネージャーになるための本』を読み終えました。

世界で闘うプロダクトマネジャーになるための本 ~トップIT企業のPMとして就職する方法~

世界で闘うプロダクトマネジャーになるための本 ~トップIT企業のPMとして就職する方法~


最初、本書を手に取ったとき、「あ、プロジェクトマネージャーじゃないんだ」ということに気がつきました。仕事ではPM=プロジェクトマネージャーを指す用語であって、プロダクトマネージャーという言葉はあまり聞いたことがありませんでした。プロダクトマネージャーとプロジェクトマネージャー。似ている言葉だけど本書の中では、

プロジェクトマネージャーの主な仕事はスケジューリングと調整です。プロジェクトに対する要求の取りまとめに責任を負うこともありますが、要求を特定したり選択したりする際に意見をいうことはあまりありません。

プロダクトマネージャーの責務は、問題点とチャンスを特定し、そのうちのどれを追求するかを選び、その後はチームが優れたソリューションを見つけられるようにすることです。

という風にその違いを述べていて(P20)、なんとなく違いが分かるようになりました。

そういうふうに漠然とした言葉の定義はあるにしても、様々な企業でプロダクトマネージャーに求められることがそれぞれ違うことに驚きました。詳細は本書の第3章に記されているのですが、多種多様でそれぞれの企業の規模や文化によってこうも違うのかと驚きを持って読み進めた。

7章からはプロダクトマネージャーとして採用されるために様々な点での対策が記されています。レジュメの書き方から企業研究、面接時にあるであろう各種質問への考え方や答え方などです。非常に詳細にかかれていて、プロダクトマネージャーを目指さなくても良い対策になるのではと思いながら読み進めることができました。

個人的には、第7章からの記述が大変具体的で、自分ならレジュメをどう書くかとか、出された問題に対してどのように答えを導き出すかについて考えるのが大変楽しく、プロダクトマネージャーを目指さなくても自分の業務経歴の棚卸しだったり面接練習になったりして楽しく読み進めることができました。