アジャイルサムライを読み終わった

危うく積読状態になりそうだったアジャイルサムライ、RubyWorld Conferenceに参加するための移動中に一気に読み終わりました。

アジャイルサムライ−達人開発者への道−

アジャイルサムライ−達人開発者への道−

現時点で、最高のソフトウェア開発本と断言できます。

自分でも良く考えてみます

ですが、本1冊でソフトウェア開発が劇的に改善することはありません。本書が15章にも渡り、ずっと記されていることは

自分でも良く考えてみます。

の一言。教科書通りに進むことなんてまずありえません。

星の数ほどあるプロジェクトに、個性豊かなプロジェクトメンバー。朝令暮改を繰り返す顧客に、「日本語でOK」と言わなきゃあかん上司。

アジャイルマニフェストアジャイルソフトウェア開発の12の原則がそのまま適用できないからと言って、すべてを諦めてしまってはいないだろうか。

必要なのは、自分に合うように適用することです。

  • 毎週、価値ある成果を届けられているか?
  • たゆまぬ改善への努力を惜しまず続けているか?

この2つの問への答えが「イエス」なら、君はアジャイルだ。

本書を読んで思い出したのは、 @yoshiori さんの「三週遅れのXP」という発表

XPを@yoshiori さんに合うようにカスタマイズされた発表です。合わせて見られることをおすすめします。

簡単?No。

本書は、数あるアジャイル開発本の中でも一番ゆるく書かれています。だからといってアジャイル開発が簡単ということでは無いのです。

私たちの業界が過去40年にわたって続けてきた、ひどいごまかしに加担するんじゃない。私はアジャイルサムライの道が簡単だなんて言ったおぼえはない。

と本書の154ページに書かれています。

過去40年の歴史に立ち向かうのは困難ばっかりなんだけど、ひとりで出来ることもあります。

それが第?部 アジャイルなプログラミング。

サラリーマン化・OL化した職業プログラマが、全員アジャイル開発になじむわけではない。過去40年の歴史はそう簡単に変わることはない。

出来ることは色いろある。ひとりでも、みんなでも。

本書は入り口でしかない。入り口からの進み方は我々に託されている。アジャイルであれ、なんであれ、我々の拠り所は、

  • 毎週、価値ある成果を届けられているか?
  • たゆまぬ改善への努力を惜しまず続けているか?

だ。これさえ出来れば、我々はアジャイルだ。