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「アジャイル開発とスクラム」書評

体系的にアジャイル開発とスクラムを学ぶには適した一冊。

アジャイル開発とスクラム」を読みました。

アジャイル開発とスクラム 顧客・技術・経営をつなぐ協調的ソフトウェア開発マネジメント

アジャイル開発とスクラム 顧客・技術・経営をつなぐ協調的ソフトウェア開発マネジメント

イメージ先行で語られるアジャイル開発とスクラムについて、用語の定義はもちろん、実践した時のデータや体験談を盛り込んだ一冊。体系的に学ぶのに適した本だと思います。

後に書きますが、第一部のデータを重視した記述は、これまでアジャイル開発やスクラムについて書かれた本が避けていたテーマに対して正面から答える内容となっています。これこそこれからアジャイル開発やスクラムに取り組もうとする組織に対して後押ししてくれるデータであると思います。

第1部

本書は3部構成。1部では用語の解説と裏付け。裏付けもしっかりとしています。特に、

「二人でプログラミングしたらコスト(工数)が二倍になれませんか?」(P85)

テスト駆動開発の効果は定量的に認められていますか?」(P93)

は数あるアジャイル関係の本の中でも明確に語られることがなかった部分であり、データを元に疑問に回答している本書は素晴らしいと感じました。

第2部

第2部は各社の経験談。これは講演会などで聞く話。成功談は読んでいて楽しいのだが、もう少し悪戦苦闘した部分もあっても良いのではないかと思います。もっと泥臭い部分があるはずで、そんなにすんなり行くかなぁという疑問を持ちました。

ひょっとすると、問題が起きづらいフェーズから導入していったのかもしれません。アジャイル導入もアジャイルっぽい感じみたいで。それなら納得できます。

第3部

第3部は野中名誉教授と竹内教授の両名が書かれた論文「The New New product development game」を改めて紐解き、論文に書かれていることをアジャイル開発でどのように実現していったのかなど、論文をベースに発展的議論を進めていっています。

個人的にあまり理解が進まなかった箇所がここです。論文をベースにしているためなのか、記述内容が多岐にわたっているのか、一つ一つの言っていることはわかるのですが、全体的な主張がわからなかったです。

まとめ

第1部の内容だけでも本書は読む価値があると思います。

以前記した「THE SCRUM BOOT CAMP THE BOOK」がイメージ先行であれば、本書はデータに裏付けた一冊。

SCRUM BOOT CAMP THE BOOK

SCRUM BOOT CAMP THE BOOK

組織にアジャイル開発やスクラムを導入したいと考えている人は、説得したい人に対して両書を使い分けると良いかと思います。